一般にBTL(FT合成)では、生成物の分布が炭素数で幅広く分散するため、軽油代替(炭素数15〜20程度)を目的とする場合、その製品を得るための工夫が必要となります。 一方、まったく異なる考え方として、BTLとしてガソリン代替燃料を得るという方向性もあります。BTLの留分をガソリン(炭素数４〜１１程度)に寄せて直鎖系でなく、分岐状炭化水素を得る手法があります。近年、触媒・プロセスの工夫により、BTLとして低級分岐状飽和炭化水素（イソパラフィン）が得られることが分かってきました。イソパラフィンは、近年世界的に需要が高まりつつある高オクタン価ガソリン(プレミアガソリン・ハイオクガソリン)の基材として利用可能であり、高付加価値なバイオ燃料としてまた、バイオエタノールに替わる次世代型のガソリン代替燃料として期待されます。
